つれづれ電影館『数字タイトル』


....... 2002年11月記す .......

 
『9デイズ』
タイトルから『13デイズ』とか『トータルフィアーズ』のような真面目なポリティカルサスペンスかと思いきや、全然違うものでした。アホなマイフェアレディー男版CIAコメディー。テンポはよく、飽きずにアハハと見ていられます。でもそれ以上ではないなあ。見せ場も少ないし、テレビ特番レベルの笑いのように思えました。これは私がコメディと相性が悪いせいもあるでしょうけれど。

部分部分を取ってみるなら、それなりに面白かったり笑えたりするのですが、扱う素材の大きさや所々シリアスとのアンバランスが、素直に笑えないものにしている気がします。いっそ『MIB』みたいにハチャメチャにしてくれれば、それはそれでよかったのに。核爆弾を笑いでやり取りされてもなあ…というジャパニーズ感情もあるかもしれませんね。
…というかもう、面白いかどうかとかいいとか悪いとか、それ以前に、どうにも掴み所のない、どうしていいのか困惑する映画でした。アクションでもサスペンスでもコメディでもないんですね。(いや、どれでもあり、どれにも徹底していない。)完全に、脚本以前のプロットの段階で何か間違っているような気がしてなりません。サスペンスだとしても、テロリストがポータブル核を奪った!というありきたりのよくある設定だし、アクションとしてもありがちの展開すぎるし。大作なのかコメディ小品なのかもはっきりしなくて座り悪いんですよね。原題は『BAD COMPANY 』(悪い仲間達、とか奴等共って感じ)。『9デイズ』などとシリアス大作アクションに見える邦題をつけるからよけい訳が判らなくなっている気がします。
『アルマゲドン』『パールハーバー』に『8mm』の監督だと後から気付いて、わかった、もういいや、何も言わない…という気分に。私はこの監督、受け付けないみたいです。

メイン舞台はチェコ共和国の首都プラハ。空撮をふんだんに取り入れた異国情緒あふれる絵はいいですね。行きたくなります。チェコはロケ費用が安いので最近よく使われるって本当ですか?(笑)。
出演者の目玉はなんといってもアンソニー・ポプキンス。実に楽しそうに、現役CIA局員として御老体でアクションまでこなしています。久々に新作で、レクター博士じゃない彼を見たので新鮮でした。対する主役のクリス・ロック。彼がいるからこの映画は成り立っていると言えるでしょう。というか、もともと彼の売り出しとマシンガントークにあわせて出た企画?と思ってしまいます。話や展開は置いておいて、両役者のかけあい漫才を楽しむなら、十分面白いといえるでしょう。(漫才にあわせて設定くっつけただけ、というのが正しい気がします。)
かなり辛口な描き方をしてしまいましたが、瞬間瞬間を楽しむのなら、面白いとは思うんですよね。ご飯食べながらながらでテレビで流すとか。腰を据えて、劇場で見るにはどうかと…。私はビデオでいいや。

監督:ジョエル・シューマカー。出演: アンソニー・ホプキンス、クリス・ロック。2002年アメリカ作品。




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