つれづれ電影館『あ』行


....... 2001年02月25日 (Sun) .......

 
『狼〜男達の挽歌・最終章』
今見たら古かろうと、ジョン・ウー独特の臭さ爆発だろうと、『男達の挽歌』1〜3シリーズと共に、私が香港映画にはまり香港に通うようになったキッカケなので、自分の中では特別な1本なのです。80年代の最後を締めくくる香港ノアールの最高傑作。
スゴ腕の殺し屋と、正義感ゆえに組織からはみ出した刑事。そして地味ながらもう一人、腕を壊し引退した元殺し屋。熱い男達の、孤独な魂の交流の物語!この作品(と香港ノアール群)に魂震えた、アメリカの若い映画監督は『レザボア・ドックス』を撮り、日本の若い監督は『スコア』を撮り、日本の婦女子達は同人誌を出しまくったのでした。

確かに今冷静に見ると、意味ありげで意味のないスローモーションや、やりすぎで鼻につく演出、大げさすぎる人間関係など気になる部分もあります。過去の評判が高すぎるほど、過度な期待を抱いて今見られると、ちょっとマズイ作品であるかもしれません。でも!ここでストーリーの粗が、とか映像的にどうの、なんて問うのはヤボというもの。その時代に世に出たからこそ、多大な影響力を残していく作品というのは、あると思うのです。あえて私は擁護しましょう!

「プロは最後の一発は残しておくもんさ。自分の為か、敵の為に」そう言っていた男が、命をかけて守ろうとした友人の腕の中で「おまえの最後の一発を俺にくれ…俺の為に使ってくれないか。みじめに犬のように死にたくないんだ。」と血まみれで微笑む。泣きながら歯をくいしばり、それに応えて腕の中の友を自らの銃弾で葬る男。
最後の死地におもむく前に「おまえの名前を教えてくれ」「関係ないだろ、友達だ」そういって、なぜか楽しげに微笑みあう2人。
闘う男達萌えの原点がここにはぎゅっとつまっています!こんなにいちゃいちゃと銃を突きつけあう敵同士も初めて見ましたよ。(スミマセン…こんな感想で…。擁護になってマセン…。)

「殺し屋と刑事」「殺し屋と、組織の使い走りの元殺し屋」など立場は違えど、同じ孤独を抱えた魂は呼びあい、分かりあえるのです。夜空を染めて炎上する教会の中で、背中を預けあい、理不尽な共通の敵に挑む姿に、熱くならずにおられるでしょうか〜!その男達の炎の前には、女の存在はポイなのでした。いやもう、本当にポイ…。映画としてそれはどうよ…という無視っぷりですが、もうこれがジョン・ウーだからさ〜!と男達の世界に酔いましょう。ハリウッドに合わせはじめる前の、趣味爆発ケレン味たっぷりのジョン・ウーの世界がここに。

のちにハリウッドリメイクで『リプレイスメント・キラー』という映画が撮られますが、比べものになりません。映像のシャープさや予算は上かもしれませんが。やはり女が相手ではいかんのよ。ストイックな魂の熱さが基本的に違うのよ〜!!…落ち着け、自分。

監督:ジョン・ウー。出演:チョウ・ユンファ/ダニー・リー/サリー・イップ/1989年香港作品。

No.(39)

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