80年代を代表するスプラッターホラーシリーズ。番外編を含み7本あります。悪夢の中から襲ってくる、ジェイソンと並ぶ有名な大量殺人鬼フレディはここから生まれました。でもちゃんと因果関係とテーマがあり、悪夢と現実のボーダーな面白さを本当に味あわせてくれるのは1のみで、あとはだんだん妖怪大決戦になっていくのが惜しい所。口コミで次第に評判が高まってくるのを聞いて、3とか5とかから見た人が『なんじゃこら。これだからスプラッタホラーって意味ないクソ映画だよなー』と判断される危険性にハラハラしたフレディファンは多いはず。
『エルム街の悪夢』
言わずと知れたフレディシリーズの1作目でありウェス・クレイヴン監督の大出世作。80年代の代表ホラーである。(この監督は90年代には『スクリーム』シリーズをぶっ放つ。)実はジョニー・ディップのデビュー作だったりもする、いろいろ記念碑的な作品。
同じ地域に住む高校生の仲間が、同じ悪夢にうなされる。そしてとうとう1人、2人と悪夢の中で襲われ、それが現実の猟奇的な死となっていく。眠っては駄目だ…!だが次第に現実と夢の境が曖昧になっていく恐怖。周りに人がいようとも、学校の授業中だろうとも、眠りに引きずり込まれれば死が待っている。しかも本人は眠っていないつもりだったりする。これは辛い!はっきりいって怖さよりも、『あ〜…それは辛いよね〜ぐっすり寝たいよなあ…』と深く同情してしまうのは職業的な問題なんだろうなあ(笑)。フレディよりも、縄跳びする子供たちの歌と、その意味ありげなスローモーションの方が私は怖かった。(フレディの正体とあいまって『IT』的な怖さなんだと思う。)久々に見返すと、さすがにちゃちいライティングや古さなどが気になるが、その(当時としては)ネタの新鮮さといい、ホラーを語るには外せない1本。ラストは衝撃というよりちょっと意味不明…。ホラーの常套手段ではありますが、同じラストビックリでも『キャリー』の説得力のある衝撃に比べるとちょっと。
監督:ウェス・クレイヴン。出演:ヘザー・ランゲンカンプ、ロバート・イングランド、ジョニー・ディップ。1984年アメリカ作品。
『エルム街の悪夢2/フレディの復讐』
え〜フレディ復讐にまいりました〜。1から5年、惨劇の舞台となった屋敷に、別の家族が越してくる。そこの息子(主人公が男!こんな所で目新らしさを狙って失敗気味)が、夜な夜な悪夢にうなされ出す。現実の体を得るため、フレディが彼に乗り移ろうとしていたのだ!<自分を焼き殺した大人達の子供に復讐する>という当初の目的は、続編らしくどうでもよくなっていく。数が勝負でこの際、関係ない大人もオッケイ!のフレディ大暴れ。
監督:ジャック・ショルダー。出演:マーク・パットン、キム・マイヤーズ、ロバート・イングランド。1985年アメリカ作品。
『エルム街の悪夢3/惨劇の館』
なんだかあまりよく覚えてないのですが、このあたりからフレディが妖怪大作戦になっていった気がします…。ロールプレイングのように、夢の中では自由に変身出来る子供達とのSFXスペクタクル大決戦!1の生き残りヘザーが、悪夢を見る子供達の協力者として参加するのは嬉しいですね。
監督:チャック・ラッセル。出演:ヘザー・ランゲンカンプ、パトリシア・アークエット、ロバート・イングランド。1987年アメリカ作品。
『エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃』
いやー笑った。フレディは夢の中の存在なのだから、気合いで勝てる!と、カン違いジャポニズムで頭にハチマキ巻いてカンフーアクションとか、いろんな意味でパワフルに見所満載。漫画的に個性のあるキャラクターが、いろいろ凝った悪夢的手法で惨殺されていく様は、日本の深夜ワクアニメのようである。しかも死んだ仲間の遺品を身につけ「みんなの力を私に!」ってところもロボット物の最終回のようだ。現実と夢の境界線のホラーという静かな怖さは、もう粉砕されて見る陰もないが、スプラッター&SFXアクションバリバリの、金をかけたB級エンターテイメントとしてはそれなりに楽しめる。映画として面白いわけではないけど。
個人的には、眠ることの出来ないヒロインと親の会話にデジャブって大笑いした覚えが…。『寝たら駄目なんだってば!寝たら終わりなのよ!』『なにがあるのか知らないけれど、寝なきゃ体が持たないわよ、あなたの事が心配なのよ〜』でもこのお母さん、速攻で娘のマグカップに睡眠薬仕込むのはどうかと思うのですが…(笑)。
監督:レニー・ハーリン。出演:ロバート・イングランド、ロドニー・イーストマン。1988年アメリカ作品。
『エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルド』
今度は胎児に乗り移り、新たな誕生を目論むフレディ!でもローズマリーの赤ちゃん的じわじわ恐怖では勿論無く、はあ〜〜〜?と思った事位しか覚えてない。かなりしょうもなかったと思う。
監督:スティーヴン・ホプキンス。出演:ロバート・イングランド、リサ・ウィルコックス、ケリー・ジョー・ミンター。1989年アメリカ作品。
『エルム街の悪夢6/ザ・ファイナルナイトメア』
バカ映画度どんどんエスカレート。ジョニー・ディップ、こんなくだらない所に出てこなくていいから(笑)。一応フレディ最後の闘い、という事でついに葬られますが、おそらく観客と同じく納得のいかない産みの親クレイブン監督によって、番外編が作られます。
監督:レイチェル・タラレイ。出演:ロバート・イングランド、ジョニー・ディップ。1991年アメリカ作品。
『エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメア』
1の監督が戻ってきて、番外編として制作。これまでのエルム街は全部映画作品で(いや、そりゃそうなんだけど)1の主演女優だったヘザーにもう一度エルム街の映画に出ないかという依頼がくる。要するに大いなる禁断の逆転舞台落ち設定なんである。(監督はスクリームでも似たような事をやっている。)そしてヒロインを演じているヘザーに、現実のフレディの悪夢が襲いかかる……。設定自体は失敗はしていないし、それなりに面白いんだけど、映画としてはあまり面白くない所が問題。現実味を持たせようとして地味になり、パワーダウン。だが、続編が続く中で(ジェイソンと同じく)ただの妖怪大道芸人と化していたフレディが、1のような邪悪な悪夢の存在感を取り戻しているのは嬉しい所。これで完結編ということでオッケイ。
監督:ウェス・クレイヴン。出演:ヘザー・ランゲンカンプ、ロバート・イングランド、ジョン・サクソン。1994年アメリカ作品。
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