つれづれ電影館『あ』行


....... 2001年02月04日 (Sun) .......

 
『エル・ニド』
スペイン中央部のからっと乾いた風景と、人々の昔から変らない因習感情のようなものの対比が、悲しくも怖く印象に残っている作品です。
妻を失い思い出の中に生きる孤独な老人と、不思議な雰囲気を持ち村から浮いていた少女が、共に共通点を見い出してひかれていきます。年齢の差を越えた、淡く純粋な恋愛感情。しかし幸せな日々は長く続きません。2人の関係を奇異の目で見る村の人々によって、悲しく悲劇的な結末に向かってしまうのです。…それも、あえて少女の未来を考えた老人が、悲劇の引き金を引いてしまう事になるのですが…。
ポツンと建つ老人の家の中で、2人が穏やかに彼の趣味のクラッシックを聞いているシーンが、とても暖かく胸に響きました。だからこそ、彼が選んだ結末が悲しくてやりきれなくなります。他に方法はなかったのか、と。(単純に姿を消して自殺する、なんて少女の心に傷を残す方法は選んでないのですよ。だからこそ、その思慮の深さがいっそ憎い。←結果的には………同じような事なのですが…。)スペインの美しく広大な青い空が、最後には空々しく寒く感じられてしまいました。
年齢を越えた、純粋であるがゆえに悲しい恋、周りの無理解と好奇の目、国や時代を越えた永遠のテーマなのでしょうね。このテーマの作品に何本となく出会ってきた中でも、不思議なムードを持った一本です。

監督:ハイメ・デ・アルミニャン。主演:アナ・トレント/エクトル・アルテリオ/1980年スペイン映画。

No.(29)

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