おなじみ角川ホラー2本立て。今回はさすがに貞子もネタ尽きたんでしょうか。そして角川映画の、知名度高く期待されていた方でない同時上映といわれる方が面白いという宿命ここにも。(私の主観(笑))
『狗神』…『死国』と同じ坂東眞砂子原作の映画化。監督は、丁重な演出と硬派なタッチで評価の高い原田眞人(『金融腐蝕列島・呪縛』など)。四国の山奥の、閉鎖的なある小さな村を舞台に、普段は眠っていたはずの血筋に関する差別や因習が引き起こす伝奇ホラー。びっくりさせるような派手な演出や見せかけのホラー表現は少なく、抑えたタッチでじわじわと人の心が歪んでいく恐怖を描いています。いにしえの横溝映画の系譜のような趣ですね。もう今の日本では(特に都市が舞台では)これくらい山奥にいかないと、日本特有の土着のホラーというのは現せないのかなあと、思ったりもします。狗神筋と呼ばれる旧家の女たちの血の系譜や、近親相姦といった、ショッキングで禍々しい題材が、いいあんばいにぬえの伝説などと絡まって興味深く話は展開。エロティックホラーというあおり文句ですが、思っていたより上品な印象。さすがにサイコホラー物にも飽きてきた日本映画の中にあって、逆に懐かしく新鮮なイメージ。一本で映画として立てる気がするのですが、「角川冬のホラー2本立て」となった事が幸か不幸かって感じです。まあその方が確実に客は入るのでしょうが(笑)。
『弟切草』…数年ぶりに、映画の途中で『許して〜もう帰っていいかな〜…』と思いました。深夜の15分ホラーシリーズ(何かを指しているわけではないですが、なんか、ときどきそういうのありません?)じゃないんだから。低予算は言い訳にならないぞ、といいたくなる展開の悪さと効果のつもりなんだろうけど画面のチープさ。ゲームを意識したんでしょうが、失敗。主役の奥菜恵のヘタさ。少なくとも全国のスクリーンにかかる劇場映画がこれでいいんか?角川さん。
『狗神』/監督:原田眞人。出演:天海 祐希/渡部 篤朗/深浦 加奈子。 『弟切草』/監督:下山 天。出演:奥菜 恵/斉藤 陽一郎。/2001年日本映画。
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