タイトルは韓国語で『(鋭い)刃物』の意味。英題は『tell me something』。韓国映画は『シュリ』を見てから見はじめたので、まだ3本目なのですが、毎回毎回違った面を見せてくれて楽しいです。(韓国映画、という色眼鏡で点数が甘くなっているのは自覚済み。)他のアジア映画とまた全然雰囲気が違う…というか、少し前まで日本文化を入れない文化鎖国状態であったにもかかわらず、とても日本と近いものを感じるのは私だけ?向こうで岩井俊二や黒沢清(明でなく)が人気というのもうなずけます。
で、この映画。死体バラバラ映画です。雰囲気的には日本の『催眠』や『CURE』、アメリカだと『セブン』を思い出しました。毎回つぎはぎパズルで見つかる7体の欠損死体は綾辻(小説)や金田一(マンガ)などにもありましたが、シチエーション的にはあんな感じ。あのお国今まで猟奇モノがタブーだったといいますが、抑えつけてきたた反動とでもいいますか、とにかく見せます見せますバラバラ。首と肉と血液でタプンタプンの黒いビニールゴミ袋。それが子供のイタズラでプツッと弾ける瞬間を御想像下さい(><)。ディティールで勝負というだけはあります。そういう方向に心臓の弱い人は見ないが吉です。しかし漂う恋心。事件を追いかける刑事、謎の美女、彼女にすべてを捧げる親友の女、行方不明の父、失踪する恋人達、騙し、騙され、信じたい、信じていいのか。いろんな方向に登場人物それぞれの思いのベクトルは向き、話は混沌としていきます。混沌としすぎて、波長があわなければ「訳のわからん映画」と一笑される危険性もあり(笑)。 『ブレア・ウィッチ〜』などと同じく真の真相と動機はついに明かになりません。ムック本や劇場でくばられるカード、HPなどいろんなメディアに推理の断片を落として、謎は謎のままです。(というか、何通りもの解釈を残したまま、放り出される)…こういうのって、本来は1本の作品として認めたくない気分なんですが、『踊らされてたまるか〜』といいながら、あちこちその断片を探して駆け回ってしまったんだよなあ(苦笑)。わかってて乗ってしまったのは、ラストがやりきれず悲しいからか?救いを求めて、これは恋だった、とかあの人へのこういう思いのせいで、などと納得したいからか。ともすればありがちなB級火曜サスペンスになってしまいそうなオチも、そこにいたる過去が、感傷的になりすぎず突き放したように淡々と描かれているせいで、つい深読みしたくなります。したくなる………そう、この映画は深いようで深いふりなのかもしれない、ただのショッキングがウリの思わせぶりなエンターテイメントかもしれない。でも乗ってみたら面白かったという事で。 …で?パート2はあるの?(笑)映画で、影のある絶世の美女を演じたシム・ウナが、来日した時丸々と太っていた姿が一番ショッキングだったり(笑)。
ちなみにパンフレットが入っているちょっと不思議なビニール袋に書かれたハングル文字は『証拠品袋』だそうです。凝ってるなあ(笑)。
(ネタバレ注意な蛇足):今年の東京ファンタスティック映画祭の劇場渋谷パンテオンに、映画のラストシーンに出てくるあの頭のないつぎはぎ死体(水槽入り)1/1レプリカが飾られていました。猥褻物陳列罪な部分もあらわに〜。そして私が見に行った池袋シネ・ルーブルには、作中で使われるはずだったがボツになったというハン・ソッキュの生首レプリカが。ひょえ〜。あわせたら1体完成ってことデスカ?
チャン・ユニョン監督。主演ハン・ソッキュ/シム・ウナ/1999韓国作品。
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