つれづれ電影館『あ』行


....... 2000年12月記す .......

 
『L・A・コンフィデンシャル』
大好きな作品で5つ星つけてベタぼめしたいのだけど、いかんせん一回見では分かりにくいと私の周りではイマイチの反応。
なんだかとっても悔しい所ですが、その気分も分からなくもない。私も初見はそうでした。
とっつきが悪いのでしょうか?最初はどういう傾向の作品なのか掴みにくいのかも。
気を抜いて見ていたら、途中で訳が分からなくなる危険もあります。私も何度も何度も見ているうちに、スルメの様に味が出る緻密な脚本と役者達の存在感にどっぷりハマっていったクチなので。
ぜひ神経集中して2時間ちょい、世界に浸ってみて欲しい!
「1本の映画作品を見た!」という映画の醍醐味を味わってみて欲しい作品。…でもやはり2回は観ないと分かりにくいかも、なんだよなあ…。
(実に職人芸的にうまくきれいに出来ている!というのは欠点にもなりうるのか…としみじみ周りの話聞いていて思った作品でもあります。
感動!とか泣いた笑った!というタイプの作品でもなし。
まったりと地味で、一般ハリウッド的な意味でのエンタテイメント味には欠けるし…。
粋な大人向け映画、と言うと映画通だけが大絶賛、と叩かれる微妙な作品。でも私は大好きなので勧めたい!)

1950年代の繁栄絶盛期に浮かれるロスを舞台に、刑事達の硬派でハードボイルドな映画。男達の世界である。
しかし画面的な暗さはなく、華やかなハリウッドと裏の社会を対比させながら、50年代の雰囲気を陽気に洒脱に、けれど渋く追っていく。
あくまで出世に血道を上げるもの、名声と華やかな世界を望むもの、不器用で実直なもの、さまざまなサラリーマン社会の刑事が、ある大量殺人事件をきっかけに複雑に交差しはじめるのだ。
ハデなアクションや爆発等はほとんどなく、いたってリアルに地道に聞き込みで事件を追っていく。ハリウッドの女優達に似せられた謎の高級娼婦が唯一の華。
消えた大量のヘロイン、いわくありげな町の有力者、やがて事件は刑事達の人生をも狂わしはじめ…。

犯人や事件の裏の衝撃度よりも(これは結構早くから読めてくるので)、見所なのは解決に向けてのキーワードの使い方のうまさ!お話作る職業の身としては、こういうカラクリを一生に一度はやってみたいと思わされます。
カッコいいぞ!「ロロ・トマシ」!(『ユージュアル・サスペクツ』の「カイザー・ソゼ」と並ぶ、アコガレの仕掛け!)
この名を聞いた時の、ガイ・ピアーズの目の演技がなんとも圧倒。

ケビン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ジェイムズ・クロムウェルらベテラン勢が、渋く個性的なキャラクターを熱演。
彼等それぞれが次第に抱き始める「なぜ刑事になったんだろう」という葛藤もよいです。
私はプチシュワちゃん顔のガイ・ピアース演じるエド警部補がお気に入り。『プリシラ』に出ていたオカマの「彼女」だと後から気が付いて大びっくり。

ちなみにタイトルの「コンフィデンシャル」は当時実在したタブロイド誌の名前にかけたもの。映画の中では「Hush-Hush」という誌名で登場。
他にもいろいろと、実際に起こった事件や人物をバックボーンにしているので、照らしあわせてみるのも一興。(原作は未読で失礼。)
(あ、今思ったけど、アドベンチャー系パソコンゲーム等にしたら似合いそう!『ブルー・シカゴ・ブルース』(J・B・ハロルドシリーズ)などのような。でも売れなさそう…私は欲しいけど!(笑))


監督:カーティス・ハンソン。出演:ケビン・スペイシー/ラッセル・クロウ/キム・ベイシンガー/1997年アメリカ作品。




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