つれづれ電影館『英語タイトル』


....... 2001年01月記す .......

 
『NYPD15分署』
チャカ、ポリス、汚職にアンダーカバー(おとり覆面調査員)にチョウ・ユンファとくれば私がいかずして誰がいく!的意気込みで劇場に直行。
プラスして内部調査員から FBIまで総出演(あ、CIA はいなかったですね)。

これがイメージよりはずっとしっとりした作品で、意外な驚きでした。
総指揮オリバー・ストーンらしく妙な所地味というかリアリズムというのか、うおおお〜と盛り上がりかけてはちょこっとすかされる感じが、微妙。
それがまたいっそ混沌としたチャイナタウンぽさとマッチして、ただの發仔(ユンファ)のアクション映画に収まらずよかったです。
彼のトレードマークとも言える2丁拳銃の舞いもちらっと出ましたが、これはそこそこ。
しかし誰でも撮れるならジョン・ウーの価値がなくなってしまうんで、私としてはまあよし。

いい感じにチョウ・ユンファの哀愁キャラクターを使う事で、勧善懲悪の物語でなく悪が本当に悪なのか、なにが善なのかと、じんわり考えてしまうお話でした。(いや、考えたのは私でなくユンファの相棒が…かもしれない。)
物語だとしても警察ひどすぎ!という意見をちらほら見ましたが、香港警察物を見慣れていると、これくらい生ぬるいです(笑)。

ただ気になったのは、物語はちゃんとシリアスに方向性を持って流れているんですが、ヘンに真面目すぎというか固いというか、それぞれのキャラがいまいち立ちきれておらず、惜しい!という印象。
底が浅い印象になってしまう。
多少バランスは崩れようとも、もうちょっと友情とか執着とか、やましさなど人間関係が濃厚であれば、ぐっと魅力的になった気がします。
話(ネタ)的には好きな部類なので残念。
特にユンファとタメをはるもう一人の主人公の背景が、あまり生かされておらず、もとは小説か何かなのかな?と思ってしまうほど、情報の断片が断片のままなんです。
過去を口で説明されるだけで、その人物の人格に影響しているように思えず、物語にも不可欠な設定であるようにも感じられない。

…しかし…ずっとそれなりにいいムードで進んでいたのに、ラストの大行進のせいで見終わったあとの印象が一気に『バック・ドラフト』なのですが。
いや…締めるのに必要なシーンだとは思うのですが、なんだかあのラストで気がそがれちゃったんですよね…。

なんだかこう、素材も役者も悪くない分とてももったいないという思いが一杯。
監督の力量のなさなのでしょうか?脚本のせい?
いっそオリバー・ストーンが撮ったものが見たかった気がします。
しかし、全体としては佳作な印象ですが、見応えはあるし、雰囲気もよし。
正統派ハードボイルド、男の世界です。發仔ファンなら必見。王様よりも彼はやはりこっちの世界でしょう!


監督:ジェームズ・フォーリー(オリバー・ストーン製作総指揮)。主演:チョウ・ユンファ/マーク・ウォールバーグ/1999年アメリカ作品。



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