つれづれ電影館『さ』行


....... 2002年12月記す .......

 
『最終通告』
スイス産サスペンス(&ファンタジー)である。ある満月の日、スイス全域で12人の子供が同時に突然行方不明となる。共通点はただひとつ。全員が水辺に住んでいること。そして、これは報告書には書かれない警察捜査員の感想であるが、崩壊した家庭の子供であるということ。

プロットのつかみとパッケージが大変興味深く、ふらふら吸い寄せられるように手に取ってレンタルで初めて見ました。誘拐か、それとも何者かによる大きな陰謀か…と終始サスペンスタッチでぐいぐい引き込むのですが、最後の最後でファンタジーに変ります。ラストのせいで、大変アーミッシュ的な、僕達の地球を守って映画になってしまいました。(なってしまったというより、元々そういう映画なのですが。)確かに途中に何度も、それを思わせる暗示やシーンは挟まるのですが、『まさか、そんなストレートに自然賛歌…』と思っていたんですよね。自然だけではなく、親への問題の突付けも強烈です。大人になれない親、親の役目をはたさない親を、子供は捨てます。謝っても悔い改めても、子供はどこか遠い別の次元からにっこり笑って手を降るだけ。どうしようと慌てふためきながら、何も現状(社会を含めて)を変えられず、どこまでも商業主義な大人達を見捨てて、子供は満月の度に、ねずみ算式に失踪していきます。最初は12人、144人、1728人、20736人………。

風光明媚なスイスの情景と、子供達の世界で流れ続ける不思議な歌が不気味に美しく、余韻を引いて忘れられません。(問題定義がストレートすぎて、だからなんだ、と言ってしまったら、なんだか雰囲気でごまかされた感もある映画ですが。)

監督:フレディ・M・ムーラー。出演:  1998年スイス作品。



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