電影館『さ』行


....... 2000年12月21日 (Thu) .......

 
『鎗火』
香港映画。英題『The Mission』。日本ではまだ映画祭で一度公開されただけの、幻の傑作!まだ有名になる前に、初めてタランティーノの『レザボア・ドックス』を見た時のような、小粒なのに大収穫!という心踊るカンジがありました。最近の映画としては短く1時間半弱(81分)、ストーリーもいたって単純(だが、脚本の巧みさと仕掛けは効いている!)。どちらかといえば地味でプチな作品なのです。しかしディティールの積み重ねが実に面白い!こういう作品があるから、現地で日本未公開物VCDを探す楽しみはやめられません!

謎の襲撃を受け、命を狙われた黒社会のボスが身を守るために5人のプロ(?信用のおける男達という表現)を雇う、という話なのですが、そこから想像される裏の事情とか複雑な人間関係なんてものはメインではありません。ただ守るという任務を淡々とこなす、普段は一匹者の連中がチームを組まされたことによる日常(?)の話なのです。
24時間守り切らねばならない無期限の任務、緊張と弛緩のズレが見せる人間味ややりとりががかわいく(笑)、そしてカッコイイ!姿かたちの事でなく、仕事に対する姿勢もね。自分より銃機の扱いにたけたメンバーがいると、そいつに整備は任せるとか、各々組んだ以上は信用する気質とか。(自分の扱う銃の整備を任せるというのは、命を預けてるようなものでしょう。…それが後半大きな仕掛けにもなるのですが。)衝突はしながらも、認め合い、友情ともいえる感情が芽生えていきますが、わりとあっさりミッションは終了。「おまえ達とならやっていけそうだ、組まないか?」などと解散を惜しんでいた所に、意外な事態が…!これも、衝撃の事実!というわりにはくだらなくて情けなくていいんですけどね(笑)。とにかく、それぞれには内緒で、チームのある1人を始末しなければならなくなる。遂行しようとするもの、阻止して逃がそうとするもの、それぞれの思惑を胸に5人が集まった時…!

いや〜手に汗握りました。銃撃戦等はありますが、暗いイメージではなく、痛快で手を打ってニヤリとしたくなるような気持ちよさが残ります。(ジャスコでの銃撃戦は、震えるほどクールでかっこいいゾ!!(><))男達の世界っていいなあ!と思うことしきり。今年度の香港アカデミー及びそれに続く賞レースで最優秀監督賞×2、最優秀作品賞、最優秀撮影賞、助演男優賞を次々ゲットし、ベルリン映画祭の招待作品にもなっています。別に賞をとったから素晴しいと盲信しているわけではなく、こんなにプチっぽい作品なのにそんなに認められていてすげえなあ!とうれしくなった訳で。(『ユージュアル・サスペクツ』が賞を取った時の「お!?やるじゃんアカデミーも!」な感覚に似ている(笑))日本も、有名なアイドル的俳優の作品ばかりでなく(いや、それも好きですが(笑))、こういう面白いものもっと上映してほしいなあ。興行的には難しいんだろうけど。出てくるのはオヤジ(&青年)ばっかだし(笑)。←現地ではみな超有名なベテラン俳優さんなんですけどね。

一般劇場公開は無理だと思いますが、映画祭には来たんでビデオは出るのではと期待。香港系の映画を大きく扱っている日本のショップにもVCDが入っているので、機会があったらぜひ!(これは日本語字幕はないですが、漢字字幕と英語字幕がつくので慣れれば結構分かる(笑))
※ちなみに日本で輸入された物を買うと2500〜3000円くらいしますが、現地香港では500〜800円位。最新映画から懐かしい作品までザクザク露天で投げ売られてますので(数年たった作品だと3枚1000円(約)とか。もちろん海賊版でなくちゃんとした正規版)、旅行の楽しみに加えるのもまた一興。九龍側旺角裏路地(女人街)周辺に安売りVCD店多し。こうやって香港通いにハマっていく人数知れず…〜〜ミニ香港映画指南でした(笑)。

ここまで書いて、来年日本一般公開の噂が!情報源はどこ!?

監督:ジョニー・トー。主演:アンソニー・ウォン(黄秋生)/フランシス・ン(呉鎮宇)/1999年香港作品。


No.(8)

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