電影館『さ』行


....... 2001年05月24日 (Thu) .......

 
『ショーシャンクの空に』
『希望はいいものだよ、何ものにもかえがたい』
『必死に生きるか、必死に死ぬか』

大好きな映画のひとつです。スティーブン・キング原作は、ホラーじゃない方が成功すると言われている内の名作の1本。(原作は『刑務所のリタ・ヘイワース』という短編。)

ショーシャンクというのは刑務所の名前です。そこに無実の罪で無期懲役となり、刑務所送りになった男の脱獄と復讐の物語です。というと暗く重そうですが、全然そんなことはなく、むしろおとぎ話めいて明るく、希望を抱かせるヒューマンドラマに仕上がっているのです。絶望の境遇の中でも、人間性を失わず、そんな彼の生き方が周りにも影響を与えていく…その人間回復の手段が「仕事の途中に腰を下ろしてみんなでビールを飲む」とか「美しい音楽を聞いて、理屈じゃなく美しいと思う」などという、ごく普遍的な事であることが、とてもいい。人間らしく生きていく上で、大事な事は、本当はそんなに難しいことじゃない。そんな簡単な事でさえ、刑務所の中でなくとも、あわただしい日常の中でつい忘れがちになっているなあと、改めて思わされるのです。

もちろん映画の中の彼は無期懲役囚です。塀の中の生活は困難と苦痛と屈辱の連続です。その中で、持ち前の銀行員という知識を生かし、希望という信念を持ち続けて、最高にカタルシスのあるどんでん返しの展開を迎えます。ただの感動ヒューマンドラマというだけでなく、一度レールを踏み外した人間の社会復帰の困難さや悲しさ、痛快な復讐というエンターテイメント性も備え持った実に良くできた無駄のない脚本にも唸らされます。
そして原作にはないラストシーン。ちりばめられたいろいろな言葉ひとつひとつが、広がる青い海の映像と共に、ああこういうことだったのかと心の奥に降りていきます。
主人公ティム・ロビンスの不思議な存在感、語り辺であり、ティムと友情を交すモーガン・フリーマンの罪を背負って生きる人間の弱さと暖かさ、他の皆もはまり役でとても気持ちいい。

今さらお勧めなんていわなくても有名な作品だとは思いますが、テレビで見た〜という方はぜひCMで途切れることのない状態で見て欲しい。映画の中の時間の流れも、この作品では立派な演出家なのだから。

脚本監督 :フランク・ダラボン。出演:ティム・ロビンス/モーガン・フリーマン/1994年アメリカ作品。



No.(43)

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