つれづれ電影館『あ』行


....... 2003年02月記す .......

 
『オールドルーキー』
35歳でメジャーデビューを果たし全米の喝采を浴びた実在の史上最年長ルーキー、ジム・モリスの実話を元にした映画です。
一度はベースボール(メジャーリーグ)のプロになる夢を諦め、今は田舎の教師になっていたオジサンが、もう一度夢に挑戦して見事花を咲かせるのです。
これが!甘いホームドラマと根性モノかと思いきや、なかなかによかったのですよ。

『まあ家族ものだしサクセスものだし泣かすんだろうな〜野球は別に興味ないけど、アメリカの野球ものは時々あなどれないからな〜(『フィールドオブドリームス』等)』くらいの気持ちでいったら、思った以上に地味に丁寧に作られた良作でした。
実話を元にしているだけあって、ハメを外せなかったのがいい意味で幸いしたのではないでしょうか。必要以上の困難とか涙の大どんでん返しなどはなく、話はわりと予定調和にトントンと進みます。単調で作りや構成は平凡とも言える。消して傑作ではないでしょう。
でもその進んでいく中での家族との交流や、主人公を見守る出身の小さな街の人々の視線など、細かい感情を大切にメインに据えて作られた、ほっこりとした作品でした。
主人公も、ただマッチョに夢を目指すんでなく、現実を知っている大人だからこそ、何度も迷い悩みます。その姿がリアルに見えるのは、やはり家族や、仕事先など周辺が細かに描かれているから。
(だって年配のマイナーリーグの野球選手より、確実な公務員の方が、確実に食っていけるのですから。)

素材が素材なんで、興味ない〜という人も多いだろうし、期待評価は高くなさそうな作品ですが、見終わった人の満足度は決してそんなに悪くないに違いないと思う1本です。カントリー調の素朴な音楽と、テキサスの砂っぽい大地と空、風景も素敵でした。
いやもう、久々に人の死なない映画(笑)を見て、ボロ泣きして癒されて帰ってきました。弱いのです、こういう映画には。

印象的だったのが、主人公の息子。
小さい時から、いつもバットを抱えて父親の横にちょこんと座っているのです。「どうせ自分は、このくらい〜」と身の丈の幸せを平凡に生きる父親も、家庭を犠牲にしても夢にチャレンジする父親、どちらをもじっと見つめて、尊敬して愛してる。
きっとこの子は素敵な大人になるだろう、そう思える、この少年の視線がとても好きです。(むしろ、この子供の目線があったからこそ、平凡ともいえるこの映画が、魅力的に見えている気がします。)

私事ながら、偶然実家の父と母も同じ日にこの映画を見にいっていたらしく、後で電話で語りあえた事が、この映画をより印象的なものにしてくれました。父はもう20数年少年野球のコーチをやっている野球好きなので、これはたまらない映画だった事でしょう。

監督:ジョン・リー・ハンコック/出演:デニス・クエイド/レイチェル・グリフィス/2002年米映画


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