ココロをテーマにしたSF好きとしては、とりあえず公開を待ち望んでいた『アイ、ロボット』。
主演ウィル・スミスという時点でまあ期待半分、もっと大味な物を予想していたのですが、これが予想以上。
いいよいいよ、これは私はOKだ。好き!
内容が簡略化される字幕では、あまりにロボット3原則のロジックが安易で微妙な気もしましたが、とりあえずはスルーで。
話の粗筋自体はレトロなSFで、アニメや漫画で見尽くしたような、かなり古臭い解釈ではありました。第0条も出て来なかったし。
でも、キャラクター(ロボ=サニー含む)の扱い方やアクションの見せ方で、十分面白く楽しむことが出来ました。なにげにキャラ立てや設定の表現描写も細かいし。いや〜まさかあのアップルコンピューター製みたいなロボで萌えるとは思わなかったですよ!(これは監督自身がインタビューで「サニーのデザインはiMacだよん」と答えている。)
たとえ予想のついたベタ展開でもお約束でも、あのサニーのウインクは良かったな〜。まさか「忘れるな、友達はいつも後ろにいる」@『狼〜男達の挽歌・最終章』感覚の、刑事と追われるものの理解と友情をやらかしてくれるとは思いませんでした。
そして、この直前に感想を書いていた『ヴァン・ヘルシング』で、私にとって物足りなかった部分がなにか良くわかりました。
それはアクションの<間>や<抜け感>です。緩急ですね。
もちろん好き嫌いはあるだろうから個人的な感覚ですが、私は監督なりの美学のあるアクションが好きなんだなと改めて思いました。
『アイ、ロボット』では、ジョン・ウー魂ばりのアクションが大変気持ちよかったです。ガガガガガーとアクションが続いた所で、ここだぁ!というタイミングでぶわぁっとスローモーション2丁拳銃とかね。手に持った物を投げ上げて、スローで敵を倒して片腕でキャッチ!というような、ありきたりといえばありきたりですが、そういう動きを快感を持って見せてくれる監督は、実は意外と少ないのですよ。その一瞬を見たいがためにまた見に行きたくなる、そういうアクション。さすがアレックス・プロヤス、オタク監督ありがとう!
わしゃわしゃと襲い掛かってくるロボも快感だったなあ。(しかし、『ナウシカ』のオームといい『マトリックス』のイカロボといい、集団で襲い掛かってくる連中はみんな赤ランプ点灯なのですな。やはり赤は禁忌の色なのですね@『ヴィレッジ』。)
映像的にもただのピカピカ未来ではなく、ブレランほどアジアン未来でもなく、どっちかといえば『リベリオン』チックな現存建物利用系未来。(そもそも『ダークシティ』の監督だし!)
外から眺めると未来だけど、人の地に足がついた生活空間は今とさほど差がなく、その中に当たり前のようにお手伝いロボが混入している光景は、不思議に違和感がないものでした。生きてる間にあんな世界体験してみたいです。
ロボだの世界観だのいろいろあれど、やはり終わった後の満足感を支える最も大きな理由は、何であれ感情を動かされること。話としては陳腐に近いほど古いんだけど、<感情>というテーマを扱う上で、ちゃんと見ているこっちの感情も動かしてくれる。ものすごくシンプルで簡単な手なんだけど、それをちゃんとこなしている所がこの映画への好感度を上げています。
壊されるロボットが「痛いんですか…?」と問うてみたり、人間に絶対服従の感情のないロボットが、それでも壊されながら人間に「(危険だから)逃げてください」と訴えかけてみたり。
それだけなら本当に陳腐なんですが、そのセリフの回収方法がいい。彼らがどういうつもりでそれを言ったかは判らなくても、たとえプログラムにすぎなくても、受け取る劇中の人間がそれで何かを感じた、そこがちゃんと描写されていて伝わってくる。私はそこが好きだなー。
<追記:この映画を観ていて、思い出した映画があるのですが、タイトルが思い出せなくてもやもや〜。やはりロボットが日常に混じっている世界で、刑事モノ。ロボット嫌いの刑事が、ある事件を追うために新しい相棒と組むことになるんですが、オチとしてその相棒も、人間と区別が付かないほどに精巧に作られた最新の試作型アンドロイドだった。
「私がロボットだと知って、あなたはどうしますか?」「…明日も早いんだ。またな、相棒」
みたいな話だったと思うんですが…。どなたかご存知ないですか〜?)
監督:アレックス・プロヤス 出演:ウィル・スミス/ブリジット・モイナハン/アラン・テュディック 2004年米国作品
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