つれづれ電影館『英語タイトル』


....... 2004年05月記す .......

 
『THREE/臨死』
韓国・タイ・香港の、3人の監督による3本のホラーオムニバス。
この映画にチェックを入れていたのは、ピーター・チャン監督&クリストファー・ドイル撮影、黎明(レイン・ライ)にエリック・ツァンという豪華なメンバーの3作目の為だったのですが、そのひいき目を抜きにしても一番面白かったのは3話目でした。

1〜2話は、『世にも奇妙な〜』系レベルというか夏のワイドショー再現ドラマというか、どこかで見たようなありきたりのホラー譚。映画でわざわざ見にいく質のものかというと疑問が残ります。つまらなくはないですけどね。

◎韓国舞台の1話目は、始まった瞬間からデジャヴってました。(私これとそっくりの漫画を、手塚治虫の短編か何かで読んだような気がするのですが、気のせい?)演出も撮影方法も、霊の動きをコマ落としで見せるなど最近のハヤリの手法のオンパレードで、ちょっと自主制作映画っぽいチープさも。
新興地域のゲートにたなびく「夢のかなう町にようこそ!」というような文字が書かれた横断幕で最初と最後を締める皮肉演出は、懐かしのアメリカン・ホラーっぽいですね。でも全体の雰囲気は悪くないかな。もっともオーソドックスに怖がらせてくれる作品ではありました。ホラーオムニバスの1話目としては妥当な所かもしれません。

◎タイが舞台の2話目は、伝統芸能の人形の呪いをモチーフにしたもの。私がタイ好きだったり、過去に弟がタイに住んでいたりと、見て分かる文化部分が多いせいで、これもそれなりに面白かったです。…が、知らなければ単に「人形の呪い」のシンプルな話に見えてしまいそうな気がします。
(たとえば、単に悪い人に見える親方ですが、首からじゃらじゃらかけているのは全部お守りだったり、小さい仏像が入ったキーホルダー(?)だったり、結構信心深い人なのだ、という描写があります。ラストのオチは、そんな彼に与えられるチャンス。そのチャンスをどう使うか…は彼の人間性でしょうけれど。)


◎3話目は香港舞台。ここに来てやっと「映画館で作品を見た」という気持ちになりました。
確かにホラー演出ではあるのですが、ラストに向けてどんどんその着地点が「怖がらせる」ではなく別の方向に向かっていきます。ホラーで始まり、中盤ちょっと笑わせるエリック・ツァン羞恥プレイなどをはさんで、オチはなんだか切なく悲しく、でもちょっと美しい。
話の質としては、前2作とは格もレベルも違う印象です。子供の使い方も絶妙。ちょっとレトロな赤い服の少女が可愛かったなあ。謎の写真屋さんの存在も効いている。あのお店だけで、また別のお話が作れそうだし、見て見たい気もします。
香港では、大変な評判となり、オムニバスにせずこれ1本だけで、ディレクターズカット版のDVDが発売されました。(入手済。)内容は…ホラーオムニバスの枷がなくなった分、より切なさを全面に持ってきた、セピア色の文学臭さえ漂う美しい作品になっておりました。

余談その1:香港での『ドーン・オブ・ザ・デッド』の漢字タイトルは『黎明活死人』といいます。この『THREE/臨死』の黎明様(笑)には、まさにこのタイトルを捧げたい。
……黎明活死人。もうぴったり。ちなみに黎明はこの作品で台湾の最優秀主演男優賞受賞。アジア各国で絶賛を浴びました。
余談その2:この作品の中でエリックが住んでいた廃墟な住居は、反町ハウス@『フルタイムキラー』と同じ場所。同じ建物でロケしてますね。フルタイムでも派手にドンパチやって壊していたし、土地の高い繁華街の真ん中にこういう廃ビルがあるのが不思議でしょうがありません。舞台こそが最高の役者とも思えます。


監督:キム・ジウン/ノンスィー・ニミブット/ピーター・チャン  出演:キム・ヘス/スウィニット・パンジャマワット/レオン・ライ 2002年韓国/タイ/香港作品




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